- エンジンオイルのおすすめは?
- エンジンオイルっていつ交換すればいいの?
- エンジンオイルはどれくらいの量入れる?
ジムニーに限らず、エンジンオイル交換は自動車を乗る上で必ず実施するメンテナンスです。
ですがエンジンオイルの商品名には、たくさんの数字や記号が書いてあってどれを選んだらいいか少し分かりづらいですよね。
私は2013年から現役で働いている自動車整備士で、エンジンオイルは実務でかなり扱ってきました。
本記事では、ジムニーのエンジンオイルの選び方からおすすめのオイル銘柄、交換時期や使用量について解説していきます。
- JA11
- JB23
- JB64
- JA22
- JB32
- JB74
などをお持ちの方は、ぜひ参考にしてください!
出典:ジムニー 外観|スズキ
ジムニー向けエンジンオイルの選び方
ジムニーは型式によって使用するエンジンオイルが変わります。
エンジンオイルを選ぶ時にチェックするポイントを3つ紹介しましょう。
- 粘度
- ベースオイル
- 規格
ポイント1:粘度
粘度は、エンジンオイルの硬さを表します。
低温時と高温時の粘度が表記されていて、低温時の粘度には数字の隣にW(=winter)が入っています。
数字が大きいほど硬いです。
軟らかいオイルのはサラサラで粘り気がなく、エンジンの動きに対して抵抗が少ないので、始動性や省燃費性に優れています。
逆に硬いオイルはネバネバした感触で、熱に強く高出力車でも安心して使用できます。
ジムニーのオーナーズマニュアルによると、推奨粘度は以下の通り。
- JA11・JA12→10W−30
- JA22・JB23・JB64→5W−30
必ずしも同じ粘度を使用する必要はありませんが、低温時粘度が0Wのものはおすすめできません。
理由は、ジムニーにターボチャージャーが付いているからです。
ターボチャージャー内部の潤滑もエンジンオイルでまかなっているので、0Wのオイルは焼付きや寿命の低下を引き起こす可能性があります。
また高温時粘度が硬すぎても、エンジンの回転の抵抗になったり燃費の悪化につながるのでおすすめできません。
ジムニーのエンジンオイル粘度範囲は、5Wか10W−30か40がちょうどいいです。
ポイント2:ベースオイル
ベースオイルの種類は、大まかに分けて以下の3種類です。
オイル分子を化学的に合成したものです。潤滑性能などの全ての性能が高く、最高品質なベースオイルといえます。デメリットは値段が高いことです。
原油から不純物を除去して精製されたもので、値段が安く最も多くのエンジンオイルに使われています。
鉱物油と化学合成油を混ぜ合わせたもので、鉱物油の性能を底上げしたオイルです。鉱物油よりも性能が高く、コストパフォーマンスに優れています。
ポイント3:規格
エンジンオイルの性能を定義するために3つの規格があります。
- API規格
- ILSAC規格
- JASO規格
エンジンオイルは性能の基となるベースオイルと、様々な添加剤を混ぜ合わせることで作られています。
ベースオイルの品質によって、エンジンオイルの値段や品質が変わるといえるでしょう。
API規格は省燃費性・耐熱性・耐摩耗性などの性能を、SAからSPまでのアルファベット順に設定されています。
ILSAC規格はAPI規格に加えて、環境保全性能を設定したものです。
API規格/ILSAC規格で表記され、現在販売されているエンジンオイルだと、SL/GF−3〜SP/GF−6のグレードがあります。
ジムニーの純正オイルは、JA11・JA12はSM/GF−4のエンジンオイル。
JA22・JB23・JB64はSN/GF−5のエンジンオイルが使われています。
もちろんグレードが高ければ良いエンジンオイルといえますが、それは最新のエンジンのために設定されているものなので、どの年代のエンジンにも必ずしも合うとは限りません。
使用するオイルのグレードは、なるべく純正に近いグレードを選ぶことが望ましいです。
JASO規格はディーゼルエンジン用の規格なので、この記事での解説は省略します。
ジムニーにおすすめのエンジンオイル5選
以下に私がおすすめするエンジンオイルを5つ紹介します。
車の使用環境によっておすすめは変わるので、自身に合うオイルを探してください。
- エクスターF 5W−30
- ROADWIN APIO 5W−30
- Mobil 1 5W-30
- WAKO’S PRO-S 10W−40
- Castrol(カストロール) GTX DC-TURBO 10W-30
①エクスターF 5W−30
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スズキが膨大な費用をかけて開発した最新の純正エンジンオイルです。
カタログに掲載される燃費は、エクスターFを使用して測定しています。
今までのイメージだと、純正オイルの品質に疑問を感じる人もいると思います。
ですが最新エクスターFは全合成油になり、絶妙な添加剤配分によって高品質なオイルになりました。
もちろんディーラーで交換されるオイルですが、一般のお客様用に20L缶で購入することができます。
在庫は店舗にて問い合わせをする必要がありますが、持っていて損はないオイルです。
またJA11・JA12用の、エクスターSM GF−4 10W−30も取り寄せができます。
こちらのオイルは、20L缶の他に3L缶も取り扱っているので、お試し感覚での利用も可能です。
②ROADWIN APIO 5W−30
ROADWINエンジンオイルは、ジムニーのスペシャリストとして有名な尾上茂氏が設立した、株式会社APIOから発売されている部分合成油エンジンオイルです。
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尾上氏が開発にトライ&エラーを重ねた製品で、エンジントルク・パワーアップ効果が期待できます。
ラリーなどの高負荷でも高い性能を発揮できる一品でしょう。
また蒸発しにくいベースオイルを使用していて、シール回復性能も含まれているので、オイル滲みが始まった車やJAシリーズのジムニーにもおすすめです。
まさにジムニーの為の専用オイルといえるでしょう。
高額エンジンオイルですが、逆に試してみたくなりますよね。
③Mobil1 5W-30
Mobileは最も有名なエンジンオイルメーカーの一つといわれています。
そして純正以外で、たくさんの人が使用しているエンジンオイルです。
Mobile1の特徴は、省燃費性能が高く、街乗り使用が多い車に適した添加剤配分であることが挙げられます。
また、冬場などのエンジン始動性の向上や、冷間時でのエンジン内部保護性能も高く作られています。
さらにAPI規格も最新のSN規格に合格しているので、汎用性が高く、どの車にも安心して使用できる性能です。
Mobile1は10W−30推奨のJA11・JA22にも使用可能で、量販店で手に入りやすいオイルなので冬場だけでも試してみてください。
きっと満足できるでしょう。
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④WAKO’S PRO-S 10W−40
WAKO’S PRO−Sは街乗り史上最高級オイルといっていいでしょう。
街乗りでエンジンオイルの油温が上がりきらない状態での使用を続けると、エンジン内部にスス(燃えカス)が溜まりやすくなります。
ススが溜まると、本来のエンジン点火タイミングより少し早く爆発してしまう現象が起きてしまいます。
この現象はLSPI(低速時プレイグニッション)と呼ばれていて、エンジンの寿命を短くしてしまう原因の一つです。
WAKO’S PRO-Sは、LSPIに対応しているエンジンオイルで、WAKO’S PRO-Sにしか無い強みです。
街乗りや冷間時使用が多い方でも安心してジムニーを楽しめると思います。
いま一度自身の運転方法や使用環境を振り返ってみて、当てはまると思った方はぜひ一度試してみてください。
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⑤Castrol(カストロール) GTX DC-TURBO 10W-30
Castrol GTX DC-TURBO は、街乗りでストップ&ゴーが多い車や、過走行車に適しているでしょう。
ストップ&ゴーの多用や過走行車のエンジン内部は、前述の通りススが溜まりやすく、堆積したススがエンジンオイルと混ざってヘドロのような状態になります。
このヘドロのような物質はスラッジと呼ばれ、エンジンの回転に大きな影響を及ぼし、エンジン不調や燃費の大幅な悪化につながります。
Castrol GTX DC-TURBOの大きな特徴は、スラッジに対する保護性能に優れている性能を持っていることです。
ベースオイルが高品質で耐熱性に優れ、さらに耐摩耗添加剤をブレンドしたことにより、スラッジの発生を最小限に抑えることができます。
一度自身のジムニーのエンジンオイルの状態を確認して、オイル量が減っていたり真っ黒になっていたら、継続して使用してください。
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ジムニーのエンジンオイルはどのくらいの量入れる?
ジムニーのエンジンオイル量は、搭載しているエンジンで適正量が変わります。
スズキオーナーズマニュアルによると、下記の通り。
- JA11・JA12に使用しているF6Aエンジンは2.7L
- JA22・JB23に使用しているK6Aエンジンは2.8L
- JB64に使用しているR06Aエンジンは2.6L
またオイルフィルターを交換する場合は、どのエンジンでも+0.2Lを追加で充填しましょう。
エンジンオイル量が少なすぎる場合は、油膜切れを起こしてしまい、アイドリング時でもガラガラ音が鳴り始めます。
エンジンオイルを交換する際の注意点
ここからは、エンジンオイルを交換する際の注意点について解説します。
間違った方法で作業すると、最悪の場合には事故や怪我につながる恐れもあります。
下記3点を確認して、安全にエンジンオイルを交換するようにしましょう。
- エンジンオイルの入れ忘れに注意
- エンジンオイルの入れすぎは良くない
- 作業を中途半端に終わらせない
エンジンオイルの入れ忘れに注意
初心者にありがちなエンジンオイルの入れ忘れ状態だと、油膜切れを通り越してエンジンが焼付きを起こしエンジンが壊れてしまいます。
エンジンオーバーホールやエンジン載せ替えの修理が必要になってしまうので、オイルの入れ忘れには細心の注意を払ってください。
エンジンオイルの入れすぎは良くない
エンジンオイルを入れすぎてしまうと、エンジン内部で「油面たたき」という現象が起きます。
エンジン内のピストンが下降する時に、入れすぎによって上昇してしまった油面にピストン下端部が接触する状態です。
お風呂の水面を強制的にパンチさせられている姿をイメージするとわかりやすいでしょう。
ピストン下端部が油面に触れると、回転抵抗が増えて燃費の悪化に繋がり、更に量が多いと白煙が出てきます。
この状態が続くとパワー不足やエンジン性能の低下、予期せぬエンジンの故障にも繋がるので、オイル量は納得できるまで確認しましょう。
オイルたたきは規定量より3L〜4L入れすぎた時に起きやすい現象で、少しの量(レベルゲージの上穴より少し上の位置)くらいであれば問題ないので安心してください。
入れすぎが想定されるケースは、「エンジンオイルを規定量入れたことを忘れて、更に規定量を入れてしまったとき」が考えられます。
作業を中途半端に終わらせない
上記のような問題は「オイル交換作業中に、別の作業を始めてしまった場合」によく発生します。
「作業は中途半端に終わらせてはならない」
筆者が新人に必ず第一に指導していることで、エンジンオイル交換に限らずどの作業にも当てはまります。
オイルを抜く→ドレンボルトを締める→オイルを入れる→オイルフィラキャップを締める→オイル量を確認する。
この一連の作業・確認を中断しなければ、入れ忘れや入れすぎという失敗はかなりの確率で避けられるでしょう。
それでも入れすぎたときは、諦めてオイルを抜いて、作業をやり直すことをおすすめします。
ジムニーのエンジンオイルの交換時期の目安
エンジンオイルの交換時期は、メーカーでも推奨時期が仕様ごとに設定されています。
スズキメンテナンスノートによると、ジムニーは6ヶ月または5000kmどちらか早い方が推奨時期で、シビアコンディション時は3ヶ月または2500kmになります。
シビアコンディションとは、一般的な使用方法よりも過酷な条件で使用されている状態をいいます。
- 走行距離の30%が悪路(凹凸路・砂利道・雪道・未舗装路)のとき
- 年間20000km以上走行しているとき
- 走行距離の30%以上が山道などの登降坂路のとき
- 1回の走行が8km以下で、冷却水温が低い状態での短距離走行の繰り返しが多い場合
メーカー推奨交換時期は、純正エンジンオイル使用時を想定して設定されています。
社外のエンジンオイルの性能次第では交換時期が短くなることがあるので、定期的に汚れの状態をチェックしましょう。
あなたに合ったオイルを見つけるために
気になるエンジンオイルは見つかりましたか?
あなたに合ったエンジンオイルを見つける近道は、自身の運転環境・運転方法・ジムニーの状態を見つめ直して理解することです。
エンジンオイルは、人間でいうところの血液だと表現されます。
定期的に点検・交換をしてあげて、楽しいジムニーライフを過ごしましょう。
ジムニーのエンジンオイル交換してもらった!
今回はちょっと急ぎだったから業者に依頼したけど次は自分でやってみよう— ムタン (@mutan0123) August 24, 2022