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突入防止装置って何?ジムニーのリフトアップに規制が入る?その後情報まとめ

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ジムニー乗りの皆さんは令和3年9月から改正された「突入防止装置に関する法令」をご存知ですか?

かんたんに言うと、ジムニーなどのリフトアップに規制がかかる法改正です。

なんだか物騒な話ですよね。

一時期話題になりましたが、その後の情報がないままフワッとしているのではないでしょうか。

本記事では突入防止装置に関する法改正を、現役自動車整備士がかんたんに解説します!

突入防止装置とは

突入防止装置とは後ろから追突されたときに、追突車が自車の下部に潜り込まないように防止する装置のことを指します。

言葉では難しく感じますよね。

トラックでイメージして貰えばわかりやすく、車両の後端部に反射テープが貼られた太めの金属バーが取り付けられているのを見たことありませんか?

それが突入防止装置です。

突入防止装置は金属であれば何でもいいというわけではなく、強度試験をクリアし国土交通大臣が認める識別記号が付いていなければなりません。

つまり、ワンオフでは保安基準に適合できないということです。

(参考:自動車技術総合機構

ジムニーの突入防止装置ってどこを指す?

道路運送車両法では突入防止装置について、乗用車の場合車体構造部(フレーム部)が該当します。

よくリヤバンパーと一緒に考えてしまうことがありますが、リヤバンパーは法律上「その他後面の構造部」として扱われるので注意が必要です。

令和3年9月、突入防止装置に関する法律が改正

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では本題の突入防止装置に関する法令についてです。

そのまま条文を載せると、とてつもなく難解になってしまうので、噛み砕いて解説します。

どの部分が改正された?
  • 改正前
  • 改正後
  • 全てのジムニーが改正対象なの?

改正前

元々は貨物の運送の用に供する普通自動車(トラックなど)に適用されていた法律で、ジムニーなどの乗用自動車には適用されていませんでした。

今はSUVやクロカンなどの車が流行していることもあり、ハイリフトカスタムをする車が増えてきたので法律が見直されたということでしょう。

トラックだけではなく、乗用車に追突して前部が潜り込む事故が増える可能性を減らすためです。

改正後

改正後は「貨物も乗用も含めて、突入防止装置を着けましょう。ただし乗用はAまたはBの条件の場合、特例でつけなくてOKです」という条文に変わりました。

A・Bの条件は、ジムニーの場合以下の2つです。

Aの条件

Aは車重3.5トン以上の条件です。

  • リヤバンパーの幅はリヤフレームの幅以上の長さが必要
  • リヤバンパーの縦の長さは100mm以上であること
  • 地上からフレームまでの長さは空車状態で600mm以下であること
  • バンパーから内側のその他の部品までの長さは450mm以下であること

Aの条件は3.5トンの条件であり、ジムニーには該当しませんよね?

ですが後に説明するBの条件で、Aの条件も必要になります。

「リヤバンパーの縦の長さ100mm以上」について、現在社外パーツとして販売されているパイプ型のバンパーは100mm以下になる可能性があるので注意しましょう。

空車状態とは人や積載物を乗せず、燃料やオイルなどの走行に必要な油脂類が最大量入っている状態を指します。

「あとはドライバーが乗ったら即発進できるよ!」という状態です。

積載物について、手荷物は基本的に含まれません。

ですがタイヤなどの重量に影響が出るものや、検査員が手荷物と認めないものは積載物扱いになってしまいます。

積載物は車検でも指摘されるので覚えておきましょう!

Bの条件

Bは3.5トン以下の自動車の場合です。

Bの条件を適用する場合は、AまたはBの条件に適合していれば突入防止装置の取り付けが不要になります。

Bの条件は以下の通りです。

  • リヤバンパーの両端部は、タイヤの最外側から100mm以下であること
  • リヤバンパーに隙間がある場合は、隙間が200mmを超えないこと
  • リヤバンパーの下端部は空車状態で地上550mm以下であること
  • リヤバンパーから内側の、他の部品までの距離は450mm以下であること
  • リヤバンパーは振動や衝撃などで、緩みなどが発生していないものであること

一番引っかかりそうなのは「リヤバンパー下端は地上550mm以下」の部分でしょう。

パイプバンパーはもちろんですが、ショートバンパーの状態でインチアップをすると範囲外になってしまう可能性が高いです。

大径タイヤ+ショートバンパー+リフトアップをしている人は気をつけましょう!

条件Bの適用について、「AかBどちらかに適応すればOK」や「AとB両方適応しないとNG」など各地域の検査場によって解釈の違いがあるようです。

こればかりは検査員の決定になってしまうので、ユーザーではどうすることもできません。

従いましょう。

法律の条文は、厳しい解釈を取り扱うのが一般的です。

なので「AとB両方に適応」させれば間違いないでしょう。

全てのジムニーが改正対象なの?

前述で紹介した改正後の法律は、令和3年9月1日以降生産の車が対象です。

JB64・JB74で9月に初年度登録されたものと考えてください。

また平成27年7月26日〜令和3年8月31日に生産された車は以下のポイントが変更され適用となります。

  • リヤフレームから地上までの距離は、空車状態で700mm以下であること

平成27年7月25日以前に生産された車については突入防止装置の規定はありません。

つまりリフトアップにおける突入防止装置の規制は全く無いということです。

突入防止装置がジムニーのリフトアップに与える影響

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突入防止装置がジムニーのリフトアップに与える影響にはどのようなものがあるでしょうか?

突入防止装置を着けなければならなくなった場合、大きく分けて2つのデメリットがあると考えます。

以下を御覧ください。

リフトアップに与える影響は?
  • カスタムの幅が狭まる
  • 車重が重くなる

カスタムの幅が狭まる

ジムニー乗りにとって最も苦痛なのが、カスタムの幅が狭まることでしょう。

ジムニーは車高を上げるカスタムが花形と言っていいほどですから、車高の上げ幅やタイヤのインチアップ、リヤバンパーの種類に気をつけなければなりません。

また突入防止装置を取り付けたとしても、目指していたものとかけ離れてしまうことが懸念されます。

車重が重くなる

突入防止装置を取り付けることによって、車両重量がかなり重くなってしまうでしょう。

突入防止装置は車を受け止めるのを目的に作られています。

なのでかなり頑丈な金属を使用し、寸法もかなり大きく重いのが特徴です。

重い金属をリヤに取り付ければ、安定性や荷重バランスが悪くなるので乗り味が変わってしまいます。

さらに言えば、燃費も悪くなってしまうでしょう。

法改正後、ジムニーをリフトアップをする際の注意点

法改正の対象車をリフトアップするときは、どのポイントに注意すればいいでしょうか?

カスタム後の対応を含めて、ポイントを4つ紹介します。

リフトアップの注意点
  • 社外バンパーの形状に注意
  • 大径タイヤとの組み合わせに注意
  • 空気圧で若干調整可能
  • リフトアップ後は検査員に確認してもらおう

社外バンパーの形状に注意

前述の通り一部の社外パイプ型バンパーなど、寸法の時点で保安基準に適合しない物も存在します。

またショートバンパーの場合でも、自分のカスタム次第では範囲外になってしまう可能性があるので気をつけましょう。

大径タイヤとの組み合わせに注意

現在販売されている社外パーツは、カタログ上では車検OKと記載されているものが多いと思います。

ですがタイヤサイズが変わっていたりすると、パーツメーカーが測ったものと地上高が変わってしまうかもしれません。

購入前にパーツメーカーがどのように計測しているか、しっかり確認する必要があります。

空気圧で若干調整可能

自分で測ったときに「ギリギリだな」となることって多いと思います。

その時はまず、タイヤの空気圧を下げてみましょう。

数mm程度であれば動かせると思います。

リフトアップ後は検査員に確認してもらおう

突入防止装置の改正は、移行期間を設けてから施行しているものの、各地域で判断にばらつきがあるようです。

なのでカスタム後はいちど、今後検査を受ける予定の検査場で確認してもらいましょう。

あくまで検査・判断をするのは自動車検査員ですから、自己判断だけではまかり通りません。

車検時にダメと言われてしまうと、どうしようもならなくなる場合があるので、早めに確認してもらいましょう!

法律は難しいが、知らないでは済まされない!

法律って難しいですよね。

文章が長すぎてかなり分かりづらいと感じてしまう人が多いと思います。

ですが皆さんが安全に車を利用するための法律なので、知らないでは済まされません。

節度あるカスタムをして、楽しいジムニーライフをお過ごしください!

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