- 新型ジムニー/ジムニーシエラ、カッコイイけど燃費悪くない?
- 購入を考えてるけど、他車種と比べて燃費悪くない?
そのような意見をよく耳にします。
果たして燃費が悪いのは本当でしょうか?
この記事ではジムニー/ジムニーシエラの燃費についての解説や、誰でもできる燃費改善の工夫を5つ紹介します!
ジムニー/ジムニーシエラの燃費は悪い?
実際にジムニーの燃費は悪いのでしょうか。
まずはジムニーの燃費について、他車種と比較しながら解説します。
ジムニーの燃費
新型ジムニーのカタログ燃費は下記の通り。
- AT:13.2km/l
- MT:16.2km/l
これに同じ軽自動車である、アルトのカタログ燃費を比較してみましょう!
アルトは4WD車のCVTとMTがあり、エンジンはジムニーと同じR06Aエンジンです。
- CVT:24.2km/l
- MT:23.4km/l
ジムニーはターボエンジン搭載
なぜ同じエンジンでも差が生まれるのか。それは、ジムニーがターボエンジンだからです。
エンジンは常に空気を取り込んで動いており、ターボが付いているとたくさん空気を取り込めます。
エンジンもよりパワーが出せるようになりますが、パワーが出る分燃料も消費します。
トランスミッションの種類も燃費に影響
またトランスミッションがATかCVTでも燃費に違いがあります。
CVTはATと比較すると、エンジンからの動力を伝達する際のパワーロスが少ないことが特徴です。
そのためCVT車のほうが燃費は良くなるのです。
車体重量がジムニーの方が重い
さらにジムニーとアルトの間では、「車両重量」という最大の違いがあります。
ジムニーは1030kg〜1040kg、アルトは610kg〜700kgです。
各グレードや仕様によって変動しますが、約300kgジムニーの方が重いです。さらにエンジン出力や最大トルクは、ジムニーのほうが高く出るように調整されているため、
燃費にも違いがでることは簡単に分かりますよね。
ジムニーシエラの燃費
新型ジムニーシエラの燃費は下記の通り。
- AT:13.6km/l
- MT:15.0km/l
エンジンはK15Bエンジンで、ジムニー同様MTとATの2種類が販売されています。
国内で同型エンジンは使用されていないので、前述している軽自動車の新型ジムニーと比較してみましょう。
- AT:13.2km/l
- MT:16.2km/l
新型ジムニーシエラの車両重量は、1070kg〜1090kgです。
ジムニーと比べ、そこまで大きな重量差はありません。
重量差は変わらない中で、新型ジムニーシエラの方が排気量が多いエンジンを載せています。
これはエンジン負荷に余裕がある証拠です。
さらに新型ジムニーシエラのエンジンには、ターボが付いていません。
ターボが付いていないことも、燃費に影響していると言えるでしょう。
ジムニー/ジムニーシエラの燃費が悪い原因・理由
ジムニー/ジムニーシエラが他車種と比較されると、なぜ燃費性能が劣ってしまうのでしょうか。
原因は以下の3つです。
ラダーフレームの為車両自体が重い
自動車には「フレーム」という骨格があり、中でも一般乗用車はフレームとボディが一体化している「モノコックボディ」という構造です。
モノコックボディはねじれ剛性や衝撃吸収能力が高くデザイン性に優れる為、幅広い車に採用されています。
さらに使用する鋼板も薄くでき、車体の軽量化にも貢献できるので、燃費を重視するのであれば最適でしょう。
一方ジムニーのフレームは、梯子上のフレームの上にアッパボディ(車室)が載っている「ラダーフレーム」という構造です。
ミニ四駆のシャーシとボディの構造に近いですね。
ラダーフレームの最大のメリットは、圧倒的に頑丈であることです。
モノコックと違い分厚い鋼板を多数使用するので、多少の衝撃では走行不能になりにくい特徴があります。
オフロード走行する上では最適でしょう。
ただし最大のデメリットとして重量が大幅に増加するので、燃費は悪くなるということが挙げられます。
4WDのため部品の数が多くなり重くなる
アルトのようなFFタイプの2WDとは違い、ジムニーはFRタイプの4WDです。
2WDと4DWにおける最大の違いは、動力伝達部品の数です。
前後にデファレンシャル・トランスファ・プロペラシャフト等全てのタイヤに動力を伝える為に、頑丈な部品を追加しなければなりません。
当然、車両重量は重くなりますよね。
さらにデファレンシャルがバネ下に取り付けられているので、燃費の悪化に繋がっていると言っていいでしょう。
ですがこれは悪路でスタックしてしまった時や、確実に山道を登り切るためには必要不可欠な部品です。
「4WDでなければジムニーにあらず」なのです。
スクエア型のボデー形状のため空気抵抗が大きい
自動車が走行する上で避けられないのが空気抵抗です。
近年の自動車では空気抵抗を減らすために、丸みを帯びた流線型のボディになっています。
空気抵抗が減れば走行を妨げる力が減るので、燃費が向上するという仕組みです。
新型ジムニー/ジムニーシエラにおいては、あえて時代と逆行してスクエア型の無骨なデザインを採用しています。
このデザインは、新型ジムニー/ジムニーシエラの人気のポイントの一つです。
しかし高速走行時は空気抵抗を真正面から受ける面積が大きいので、燃費の悪化につながる要因の一つとなっています。
ジムニーの燃費を向上させるためにできること5つ
それでは、燃費を少しでも向上させるためには一体何ができるでしょうか?
この記事では下記の5つを紹介します。
軽量アルミホイールに交換する
ホイールの軽量化は、バネ下重量が軽くなるので燃費向上に最適です。
なんとバネ下重量1kgの軽量化は、バネ上重量15kgの軽量化に匹敵します。
またホイール交換はドライバーの個性を簡単に大きく出せるので、カスタムの第一歩として強くオススメできます。
ただしデメリットもあります。それは足回りの強度の低下です。ジムニーはオフロード走行も想定して設計されているので、純正ホイールは重く頑丈に作られています。
オフロード走行をする方は、軽量ホイールへの交換後も純正ホイールは保管しておき、用途に合わせて使い分けると便利ですよ!
詳しく知りたい方は、『ジムニー・ジムニーシエラの軽量ホイールおすすめ7選』をぜひ合わせて読んでみてください。
2WDモードで走行する
ジムニーは2WDと4WDをレバーで自由に切り替えられるパートタイム4WDです。
雪道などの悪路走破性は上がりますが、デファレンシャル等の作動が入るので、4WDは走行抵抗が増え燃費が悪くなる傾向があります。
4WDモードを舗装路面で使用すると、走行振動の増加やタイヤの偏摩耗にも繋がるので、舗装路面での使用は推奨されません。
スズキのオーナーズマニュアルにも注意を促す文面があります。
ドライバーの責任としてもちろんのことですが、しっかりマニュアルを読んだ上で運転を楽しんで下さい。
パートタイム4WDはジムニーの歴史と伝統であり、最大のメリットです。
用途に合わせて楽しく走行しましょう!
急加速を控える
自動車が走行するにあたり、最も燃料を消費するタイミングは加速時です。
例えば自転車は、加速をするタイミングが一番体力を使いますよね?
自動車でも同じことが起きています。
体力=燃料と置き換えれば、よりイメージしやすいでしょう。さらに急加速状態になると、自転車でいう「立ち漕ぎ」状態になってしまいます。
これでは急激に体力が減ってしまいますので、緩やかに加速すれば燃料の消費を最小限に抑えることができるのです。
また急加速はもちろん、急ブレーキや急ハンドルは愛車の部品の損耗を早めます。
大切な相棒なので、労って運転してあげましょう。
タイヤの空気圧を調整する
タイヤの空気圧はパンクしていなくても自然に少しずつ抜けていくものです。
空気圧が低い状態ではタイヤの接地面積が増えるため、転がり抵抗が大きくなります。
走るための抵抗が大きくなるほど燃費は悪くなってしまうのです。
ただし、だからといってたくさん空気を入れれば良いというわけではありません。
空気圧が高すぎると乗り心地が悪くなったり、走行中にバースト(破裂)する恐れがあります。
多めに入れても基準値+20kpa〜30kpaが理想です。
ジムニーは、タイヤサイズやオフロード走行での安定性の理由から、他の車種と比較して適正空気圧が低く設定されています。
ジムニー/ジムニーシエラ共に、前輪160kpa・後輪180kpaが適正です。
オフロードを走行するときは適正値で調整し、街乗りや高速道路を走行する日は、前輪180〜190kpa、後輪200〜210kpaに調整するのが丁度いいでしょう。
エアコンは必要な時以外は控える
昨今の自動車は、エアコンが当たり前のように装備されています。
特に昨今の暑さは過酷なので、エアコンのお世話になる機会は多いことでしょう。
ですがこのエアコンは、想像以上に燃費に悪影響をもたらします。
なぜならエアコンの主な動力は、エンジン回転を利用しているからです。
コンプレッサでエアコンガスの圧力を上げる際に、ベルトを介してコンプレッサを回転させます。
このときエンジンに負荷がかかり、エンジン回転を保てるように燃料を多く消費してしまいます。
確かにエアコンは、私達の命を守ってくれる大切な装備です。
暑い日、寒い日は使いましょう。
ただし暑くない日は、窓を開けて風に当たりながら運転するのも気持ちがいいですよ!
燃費は良くないが燃費以上の価値がある!
確かに一般乗用車と比べると、ジムニー/ジムニーシエラの燃費は良くありません。
ですがジムニーには、燃費を捨てても余りあるほどの運転の楽しさがあります。
また、カスタム性やどこに行っても安心して運転できるのも、ジムニーの魅力です。
購入を考えている人は、ぜひ一度ジムニーに乗ってみてください。
少しでもあなたが「楽しい」と思えたなら、絶対に買って後悔しませんよ。
もうジムニーに乗っている人は、どこへでも連れて行ってくれる相棒なので、大切にメンテナンスしてあげましょう!
ジムニーの100km平均燃費22.5km/lを記録
— かねごん (@KanegCa3) August 22, 2022