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ジムニーのスペアタイヤレスとは?なぜ外す?メリット・デメリットを解説

ジムニー JA11

ジムニーのスペアタイヤをあえて外す、「スペアタイヤレス」が密かに人気です。

街中でもたまに見かけますが、

  • ジムニーのスペアタイヤをなぜ外すの?
  • ジムニーのスペアタイヤレスのデメリットは?
  • ジムニーのスペアタイヤを外すと車検に影響は?

という疑問が浮かび上がるのではないでしょうか。

そこで本記事では現役の自動車整備士がジムニーのスペアタイヤレスのメリット・デメリットについてが徹底解説します!

スペアタイヤレスとは

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スペアタイヤレスとは具体的どういうカスタムなのでしょうか?

「スペアタイヤレス」の一般的な意味は、スペアタイヤを搭載していないことを言います。

最近の車はスペアタイヤを積んでいない車が多いですよね。

その代わりにパンク修理キットが搭載され、車内スペースの確保や軽量化、燃費の向上に貢献しています。

ジムニーにおける「スペアタイヤレス」とは、もともとバックドアに装備されたスペアタイヤをあえて取り外すカスタムのことを言います。

「あえて取り外す意味なんてあるの?」と思う人もいるかもしれませんが、あとでしっかり解説しますのでご安心ください。

車検は通るの?

結論から言うと、問題ありません。

たしかに昔はスペアタイヤの搭載義務がありました。

ですが現在は前述したパンク修理キットの採用などで法整備され、搭載義務はありません。

ただしスペアタイヤを固定する器具(ブラケット)が社外のもので、折り畳めない構造のものやブラケット本体がリヤバンパーより飛び出ているものは車検に通らなくなってしまいます。

社外ブラケットを使用している人はブラケットまで取り外すのが無難でしょう。

ジムニーのスペアタイヤを外す人がいるのはなぜ?


どうしてわざわざスペアタイヤを外す人がいるのでしょうか?

スペアタイヤを外すことで得られるメリットを5つ紹介します。

スペアタイヤレスのメリット
  • 外観がスッキリする
  • 運転席から後方確認がしやすい
  • 軽量化ができる
  • 他のパーツを取り付けたい
  • 洗車しやすくなる

外観がスッキリする

スペアタイヤを取り外すと、よりシンプルな見た目に早変わりします。

普段はスペアタイヤ付きに見慣れていると思うので、今までのイメージとはガラリと変わるでしょう。

最近はドレスアップ目的でスペアタイヤレスにする人も増えているそうです。

運転席から後方確認がしやすい

運転席から後方確認をする時に、スペアタイヤがリヤガラスに被って見えますよね。

自宅やよく使う駐車場が狭い人だとスペアタイヤが邪魔だと思う人もいると思います。

スペアタイヤを取り外すことで後方の距離感が掴みやすくなるので、ギリギリまで詰められるようになるでしょう。

軽量化ができる

考えてみれば当然のことですが、スペアタイヤを外せばその分車が軽くなりますよね。

「スペアタイヤの重さなんて大したことない」と思う人はいちどスペアタイヤを持ってみてください。

ジムニーのタイヤは大きいので、結構重いですよ(笑)

重量が軽くなれば車の負担は減ります。

スペアタイヤはバネ上重量なので燃費には大きく影響は受けにくいですが、多少は燃費が向上するでしょう。

他のパーツを取り付けたい

中には「スペアタイヤじゃなくて別のものを付けたい!」と言う人もいます。

代表的な例を挙げると「スコップの取り付け」です。

スコップはタイヤがスタックした時に、タイヤ周りの土砂や雪を掘って脱出しやすくする便利アイテムです。

オフロード遊びを頻繁にする人がよくスコップを取り付けていますよね。

専用のブラケットを購入する必要がありますが、いつもと違う頼もしさを感じられるでしょう。

洗車しやすくなる

スペアタイヤの裏って洗いにくくないですか?

というより完璧には洗えません。

長期間放置しておくと簡単には落ちない水垢になってしまうことや、酷いときはコケが生えてしまうことだってあります。

そんなの嫌じゃないですか?

ですがスペアタイヤを外してしまえば、もうそれはそれは洗いやすくなります。

ボディの塗装を大切にしたい人や綺麗好きな人に、スペアタイヤレスは精神衛生上おすすめのカスタムです。

ジムニーをスペアタイヤレスにするデメリット

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では逆にスペアタイヤレスにした場合のデメリットについて考えていきましょう。

デメリットにはシンプルかつ大きな2つが考えられます。

スペアタイヤレスのデメリット
  • 緊急時にタイヤ交換ができない
  • 外したスペアタイヤの行き先

緊急時にタイヤ交換ができない

最大のデメリットは、タイヤに何かあってもスペアタイヤに交換できなくなってしまうことです。

ただのパンクであれば市販の修理キットで応急対応できますが、タイヤが裂けるバーストやホイール変形の場合はもうスペアタイヤ交換しかありません。

またJAFの救援を呼ぶ手段がありますが、場所や時間によっては長時間待たされることもありその場から動けなくなってしまいます。

保険会社のロードサービスの場合は、牽引距離や対応可能なサービスに制限があることが多いです。

たとえばレッカーに同行することができない場合があることや、搬送距離が長い場合は追加料金が発生することがあり、万能ではありません。

スペアタイヤレスにすることは確かに簡単ですが、外した後のことをしっかり考えた上で行いましょう!

外したスペアタイヤの行き先

スペアタイヤを外した後は「そのタイヤどうする?」という問題が出てきます。

自宅に保管スペースがある人や、タイヤを貰ってくれる人がいればそれに越したことはありません。

ですが保管スペースに困っている人や貰い手がいない人は処分を検討する人もいると思います。

タイヤやホイールは処分に費用がかかってしまいます。

地方自治体によってはタイヤを組み外す必要がある場合や、処理場が自宅から遠い場合があるので面倒ですよね。

整備工場や量販店でも有料で処分できるので、相談してみてください。

ジムニーをスペアタイヤレスにする方法

ジムニーの車体

出典:ジムニー 外観|スズキ

スペアタイヤレスにする方法は2つしかありません。

「誰かにやってもらう」か「自分でやる」です。

では誰に頼めば良いのか、自分でやるならどうすれば良いのかを、手順を踏まえてしっかり解説します。

作業経験者のプロの解説なので安心してください!

方法1:整備工場でやってもらう

一番無難なのは整備工場でやってもらうことです。

作業自体は単純ですが、プロは車に傷を付けないための取り扱い方を知っています。

今回はボディの塗装が相手なので、失敗したら目も当てられません。

タッチペンで済むレベルであれば良いのですが、広範囲になってしまうと板金修理になってしまいますからね。

自信のない人や確実さを求める人はディーラーや整備工場に持っていきましょう。

納車待ちの人は、納車前に取り外しを依頼すればやってくれる場合があります。

点検と一緒にやってもらうのも良いかもしれません。

方法2:自分でスペアタイヤを取り外す

自分で取り外すことも可能です。

作業難易度はそこまで高くありませんが、ボディに傷を付けないように慎重に作業する必要があるでしょう。

私も最近やった作業なので、注意点を踏まえながら解説していきます。

※ただし作業は自己責任でお願いいたします。

まずは必要なものを用意

必要な工具や部品を紹介します。

以下を御覧ください!

  • 19mmソケットレンチとそれを回すためのラチェットハンドル(車載工具のL字レンチや十字レンチでも可能)
  • 14mmソケットレンチ&ラチェットハンドル
  • エクステンションバー(ラチェットハンドルがボディに当たらないように)
  • ゴムワッシャー×4枚

ゴムワッシャーはスペアタイヤブラケットを外したあと、取り付けボルトをボディに締め込むときに使用します。

ボルトだけで締め込むと塗装を傷めたり、バックドアパネル内に水が侵入して錆や穴が開いてしまうからです。

ゴム製だけでなく、シリコン製などの柔らかい素材であれば大丈夫ですよ!

穴を塞ぐボルトにはドレスアップ用の社外ボルトがあります。
ボルトも格好良くしたい人は作業前に用意しましょう!

作業手順は以下の通り

  1. スペアタイヤカバーを固定しているナットを19mmソケットで取り外す。(ナット1個)
  2. スペアタイヤカバーを取り外す(引っ張るだけ)
  3. タイヤを固定しているシルバーのブラケットを19mmソケットで全数緩める(ナット3個)
  4. 緩めたナットを外し、シルバーのブラケットを取り外す
    ※シルバーのブラケットを取り外すときは、タイヤが落ちないように保持する
  5. スペアタイヤを取り外す
  6. 14mmソケットでスペアタイヤブラケットボルトを全数緩める(ボルト4個)
  7. 緩めたボルトを全数取り外し、ブラケットを取り外す。
    ※ボルトを緩めるときは、ブラケットがボディに当たらないように保持する(2人作業を推奨)
    ※保持をするときはボディに押し付けないで、下から支えるように保持する
    ※ブラケットは重いので、落とさないように注意する
  8. ボルト穴付近が汚れている場合、拭き取る
    ※直接水をかけないこと
  9. ボルト4個にゴムワッシャーを入れ、ボルト穴に締め込む

スペアタイヤレスでスタイリッシュなフォルムに

スペアタイヤを取り外すことでリヤ廻りはよりスタイリッシュになるでしょう。

私個人としては、スクエア感が強調されていて結構好きです。

緊急時の保険が無くなるデメリットは大きいですが、使用環境や用途によってはスペアタイヤレスはメリットを生みます。

しっかり考えた上であなただけの楽しいジムニーライフをお過ごしください!